Column 18
自律神経バランスとは?自律神経が崩れる原因と整え方を解説
- 健康のお悩み
突然襲ってくる頭痛、ふらつき、めまいは、日常生活に大きな支障をきたします。各症状が発生する原因はさまざまで、場合によっては深刻な病気のサインである可能性もあります。症状が長引く場合や、日常生活に支障が出るほどの強い痛みやふらつきがある場合、吐き気や嘔吐を伴う場合などは、早めに医療機関を受診するようにしてください。
この記事では、頭痛やめまい、ふらつきの主な原因や、症状が出た際にその場でできる対処法について分かりやすく解説します。
頭痛には、大きく分けて一次性頭痛と二次性頭痛の2種類があります。
一次性頭痛とは、頭痛の症状そのものが病気である状態で、はっきりとした原因は特定できません。二次性頭痛とは、ほかの病気や障害が原因となって起こる頭痛です。
代表的な一次性頭痛として、主に片頭痛・緊張性頭痛・群発頭痛の3つが挙げられます。
片頭痛は、頭の片側または両側で脈打つような激しい痛みが繰り返し発生する症状で、吐き気や光、音、においに対する感覚過敏を訴える人が多い頭痛です。月に数回から週に数回発生し、一度始まると数時間から最長で3日間持続することもあります。痛みが強いため日常生活や仕事に支障をきたし、暗く静かな場所で安静にしていたいと感じる人も多くいます。片頭痛は、頭部の三叉神経に関連する神経伝達物質が分泌され、これにより脳表面の血管が拡張し、周囲の神経が刺激されて痛みが生じると考えられています。
緊張性頭痛は、後頭部や頭全体、首、肩にかけて圧迫感や締め付けられるような鈍い痛みを感じることが特徴です。日常的に長時間同じ姿勢で作業を続ける人や、精神的なストレスを抱えやすい人によく発生する頭痛です。痛みは30分から数日間続くことがあり、吐き気や嘔吐はほとんど伴わないため、片頭痛に比べて日常生活への影響が軽い場合が多い傾向にあります。無理な姿勢や長時間の作業で頭や肩周りの筋肉が緊張し、血流が悪くなることで生じる身体的なストレスや、長期間の精神的な緊張が原因と考えられています。
群発頭痛は、主に20~30代の男性に多く見られる激しい頭痛で、片側の目の奥に痛みが集中するのが特徴です。周期的に発生し、数年に一度から年に数回の頻度で起こりますが、いったん発症すると1~2か月の間ほぼ毎日、一定の時間に強烈な痛みに襲われるという性質を持っています。発作の持続時間は15分から3時間程度で、特に明け方に多く見られます。
片頭痛や緊張性頭痛は「自律神経失調症」が原因で発症するケースもあります。交感神経と副交感神経の自律神経バランスが乱れていると、場合によっては頭痛が症状として現れることがあります。
(関連コラム:「自律神経バランスとは?自律神経が崩れる原因と整え方を解説」)
二次性頭痛の原因となる疾患は、主に以下の通りです。
| 頭蓋外疾患 |
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| 脳腫瘍(圧迫や腫瘤による頭痛) |
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| 全身性疾患 |
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| 薬剤や物質中毒 |
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二次性頭痛は、深刻な病気が原因であることが多く、セルフケアでは対応できないケースがほとんどです。頭痛が悪化したり、以下の症状がある場合は、速やかに医療機関へ連絡し、救急車を呼ぶことが重要です。
これらは頭蓋内出血や髄膜炎、血管障害などの症状の可能性があり、いち早く医療機関を受診するようにしてください。
一方で、一次性頭痛のうち片頭痛・緊張性頭痛は、セルフケアでつらさを和らげることが可能です。なお、群発頭痛はセルフケアや市販の鎮痛薬では改善が期待できないため、周期的に頭痛が発生した場合は医師による診察を受けてください。
また、以下の情報は、あくまで一般的なセルフケア対処法です。一次性頭痛であっても、専門医に相談し、指示に従うことが推奨されます。
| 片頭痛 |
音や光の刺激で頭痛が強まる方もいるため、照明を落とし、静かな環境でリラックスすることを心がけてください。額やこめかみを冷やし、血管を収縮させると痛みを軽減できる場合があります。 |
| 緊張性頭痛 |
肩や首周りを温めると、筋肉の緊張がほぐれて血流が促進されるため、痛みへのアプローチが期待できます。また、運動や首、肩のストレッチ、マッサージで筋肉の緊張を解消することも効果があると言われています。 |
めまいの種類は、症状や原因によって大きく3つに分けられます。
めまいは、さまざまな病気が原因で起こる可能性があるため、ご自身で原因を特定することは困難です。めまいを感じたら、早めに医療機関を受診し、適切な検査を受けるようにしてください。
回転性めまいとは、自分、または周囲の物体がグルグルと回転しているように感じられるめまいのことです。
回転性めまいは、主に内耳の異常が原因で起こるケースが多い疾患です。内耳に存在する、体のバランスを感知する三半規管がうまく機能しなくなると、脳に誤った情報が送られ、回転感が生じます。
特にメニエール病は、内耳のリンパ液が増えて圧力が高まる病気で、回転性めまいの代表的な原因の1つです。回転性めまいに加え、耳鳴りや難聴が伴う場合は、メニエール病や突発性難聴などの可能性があります。
耳鳴りや難聴が伴わない場合は、良性発作性頭位めまい症が疑われます。内耳の三半規管の中にはがれた耳石が入り込み、動く際にめまいが起こります。
浮動性めまいとは、体がフワフワと浮いているような感覚、あるいはユラユラ揺れているような感覚を伴うめまいのことです。回転性めまいのように、周囲がグルグルと回るような感覚ではなく、体が安定せず、ふわふわとした感覚が特徴です。
脳や自律神経の異常、薬の副作用、精神的なストレスなどが原因となることが多く、大きく4つのタイプに分類されます。
| 中枢性めまい |
脳の小脳や脳幹の障害に起因するめまいです。脳梗塞や脳内出血が原因となるケースも多く、頭痛や吐き気を伴うこともあります。 |
| 心因性めまい |
精神的なストレスや不安が脳や内耳の機能に影響し、発症するケースがあるめまいです。精神をリフレッシュすると症状が緩和することがあります。 |
| 全身性めまい |
自律神経失調症が原因で発症し、貧血や発熱でも生じることがあります。ふらつきが特徴です。 |
| 薬剤性めまい |
抗生物質や降圧剤などの副作用として現れる場合があります。 |
立ちくらみ(眼前暗黒感)とは、立ち上がった瞬間や急に姿勢を変えたときに目の前が暗くなり、ふらつきを感じる状態のことです。脳への血流が一時的に低下すると起こり、重度になると失神を引き起こすときもあります。
原因としては、循環器系の問題が挙げられ、心臓に異常がある場合や、不整脈、低血圧などが関連しています。心臓の機能が低下すると血流量が不足し、脳に十分な酸素が届かなくなるためです。また、急に立ち上がる際に自律神経の調整が追いつかず血圧が低下する「起立性低血圧」もよく見られる原因の1つです。そのほか、内出血や出血性疾患で血液量が減少している場合や、降圧剤などの薬の副作用でも同様の症状が現れることがあります。
立ちくらみが頻繁に起こる場合や、動悸や胸痛を伴う場合には、内科や循環器科での診察が推奨されます。
めまいやふらつきが起こった際は、まず慌てずに安静にすることが重要です。立っている場合は転倒のリスクがあるため、座るか、可能であれば横になって頭を低くします。脱水によってめまいが起きていると考えられる場合、水分を少しずつ摂るのも大切です。
また、視覚や聴覚への刺激が症状を悪化させるケースもあるため、部屋を暗くし、音を遮断して目や耳への負担を減らすことが推奨されます。安静と刺激の遮断で症状が和らがない、または繰り返す場合は、根本的な疾患が潜んでいる可能性を考え、速やかに医療機関で診察を受けてください。
吐き気や冷や汗を伴う場合は、冷たいタオルをみぞおちに当て、体を横に向けると楽になる場合があります。急な動きや頭の位置を変える動作は避け、安定した姿勢でゆっくりと対処することが大切です。
頭痛は大きく分けて一次性頭痛と二次性頭痛に分類されます。一次性頭痛は、頭痛自体が病気である場合で、ほかに原因となる疾患がないとされる頭痛です。片頭痛・緊張性頭痛・群発頭痛などが挙げられます。二次性頭痛は、ほかの疾患が原因で起こる頭痛です。原因となる疾患は、くも膜下出血・脳腫瘍・髄膜炎などさまざまなため、早急な医師の診察と治療が必要です。
また、頭痛だけでなく、めまい・ふらつきも早めの対処が重要です。特に高齢者の場合、めまい・ふらつきは転倒のリスクを高めるため、より慎重な対応が必要となります。
監修者プロフィール
福井 直樹 先生
理学療法士
学校法人響和会 和歌山リハビリテーション専門職大学 教員
(一社)日本物理療法学会 理事
(一社)日本理学療法学会連合日本物理療法研究会 評議員