筋トレを自宅で行うには?おすすめメニューと注意点を解説

イメージ画像:筋トレを自宅で行うには?おすすめメニューと注意点を解説

日々忙しく過ごす方の中には、「ジムに通いたいけど、時間がない」「人目を気にせず自分のペースで筋トレしたい」などと感じる方が多くいます。自宅で手軽に始められる筋トレは、忙しい毎日の中でも自分のペースで運動に取り組むことができ、経済的にも魅力があります。

当記事では、自宅で手軽に始められる筋トレメニューや、安全に行うための注意点などを詳しく解説します。運動初心者の方でも安心して取り組めるよう丁寧に説明するので、ぜひ参考にしてください。

1. 自宅でできる筋トレメニュー

自宅でも、器具などを使わずに簡単に筋トレを行うことが可能です。以下では、初心者もやりやすい筋トレの方法を5つ解説するので、ぜひ自宅でのトレーニングに取り入れてみてください。

1-1. プッシュアップ

プッシュアップとは、一般的に「腕立て伏せ」と呼ばれる、自重を利用した筋トレです。手と足で体を支え、上半身を上下させる動作を繰り返すことで、主に上半身の筋肉を鍛えられます。

プッシュアップで鍛えられる筋肉と効果は、主に以下の通りです。

大胸筋

胸の筋肉を大きくし、胸板を厚くする効果が期待できます。

上腕三頭筋

上腕の裏側の筋肉で、二の腕を引き締める効果が期待できます。

三角筋

肩の筋肉で、肩の丸みをつけ、肩こりの改善も期待できます。

その他の筋肉

広背筋、腹筋など、体幹部の筋肉も補助的に鍛えられます。

プッシュアップの具体的なやり方は、以下の通りです。

(1) 床にうつ伏せになり、両手を肩幅よりやや広めに開き、つま先を立てます。
(2) 肘を曲げながらゆっくりと体を下ろし、胸が床につくか、それ以上深くならないところで止まります。その後、肘を伸ばしながらゆっくりと体を上げます。

初心者は1セット10回を目安に、3セット程度行うことから始めてみてください。

1-2. クランチ

クランチは、仰向けになり、膝を立てた状態で上体を起こす腹筋運動です。腹直筋というお腹の正面にある筋肉を主に鍛えることができます。腹筋が割れた状態、いわゆる「シックスパック」を目指したい方にもおすすめの筋トレです。

クランチで鍛えられる筋肉と効果は、主に以下の通りです。

腹直筋

お腹の正面にある縦長の筋肉で、クランチによって強く刺激できます。

腹斜筋

お腹の側面にある筋肉で、体幹を安定させる働きがあります。

クランチの具体的なやり方は、以下の通りです。

(1) 仰向けになり、膝を立て、足の裏を床につけます。両手は頭の後ろに軽く当てるか、胸の前でクロスさせます。
(2) 頭と肩を床から離し、肘が膝に触れるくらいまで上体を起こします。ゆっくりと元の姿勢に戻します。

初心者は1セット15回を目安に、3セット程度行います。

1-3. ヒップリフト

ヒップリフトは、仰向けになり、お尻を持ち上げるシンプルな運動です。主に、お尻の筋肉を鍛えることで、ヒップアップ効果が期待できます。

ヒップリフトで鍛えられる筋肉・部位と効果は、主に以下の通りです。

大臀筋

お尻の最も大きな筋肉で、ヒップアップに直結する筋肉です。

ハムストリングス

ハムストリングスとは、太ももの裏側にある3つの筋肉の総称です。具体的には、大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋の3つが合わさってハムストリングスと呼ばれています。

脊柱起立筋

背中の筋肉で、姿勢を保持する働きがあります。

腹横筋

体幹を安定させる働きがあります。

ヒップリフトの具体的なやり方は、以下の通りです。

(1) 仰向けになり、膝を立て、足裏を床につけます。両腕は体の横につけ、手のひらを下に向けます。
(2) お尻をゆっくりと持ち上げ、膝から肩までが一直線になるようにします。上体を反りすぎないように注意します。
(3) 上げた状態を数秒キープし、ゆっくりと元の姿勢に戻ります。

初心者は1セット10~15回を目安に、3セット程度行うことから始めてみてください。

1-4. プランク

プランクは、うつ伏せになり、肘とつま先で体を支え、板のように体を一直線に保つ体幹トレーニングです。体幹とは胴体部分の筋肉のことを指します。

プランクで鍛えられる筋肉・部位と効果は、主に以下の通りです。

腹筋

腹直筋、腹斜筋など、お腹周りの筋肉をまんべんなく鍛えられます。

背筋

脊柱起立筋など、背中の筋肉を鍛え、姿勢の改善につながります。

体幹全体

体の中心部分の筋肉を強化し、体幹を安定させます。

プランクの具体的なやり方は、以下の通りです。

(1) 足を伸ばした姿勢で、うつ伏せになります。上半身を少し起こし、肘を床につけます。
(2) 肘で体を支えながら、つま先を立て、頭から足まで一直線になるように体を持ち上げます。お腹に力を入れて、腰が反らないように注意します。
(3) 呼吸を止めずに、その姿勢を30秒~1分間キープします。

初心者は1セット30秒を目安に、2~3セット程度行うことから始めてみてください。

1-5. スクワット

スクワットは、立ってからしゃがみ、再び立ち上がる動作を繰り返す全身運動です。下半身を中心に全身の筋肉を鍛えられます。

スクワットで鍛えられる筋肉・部位と効果は、主に以下の通りです。

大腿四頭筋

太ももの前の筋肉で、太ももの前面を引き締める効果が期待できます。

ふくらはぎ

「ふくらはぎ」とは腓腹筋とヒラメ筋の総称です。腓腹筋とヒラメ筋を鍛えることで、膝裏からアキレス腱にかけての引き締め効果が期待できます。

その他の筋肉

大臀筋、ハムストリングス、体幹などを鍛えられます。

スクワットの具体的なやり方は、以下の通りです。

(1) 肩幅に足を広げ、つま先をやや外側に向けます。
(2) お尻を後ろに突き出すようにしながら、膝を曲げて腰を落とします。膝がつま先より前に出ないように注意します。
(3) 下で数秒キープし、ゆっくりと元の姿勢に戻ります。動作中、呼吸を止めないように注意してください。

初心者は1セット15~20回を目安に、3セット程度行います。

2. 自宅で筋トレを行うときの注意点

自宅で効果的な筋トレを行うためには、いくつかの注意点があります。以下の点に注意することで、より安全かつ効率的にトレーニングを進められるので、ぜひ意識してみてください。

2-1. 休息日を設ける

筋トレによって微細な損傷を受けた筋肉は、休息中に修復され、より強くなります。筋肉痛は、運動によって傷ついた筋肉が修復されているサインです。この状態の筋肉に再び負荷をかけると、修復が妨げられ、回復が遅れてしまうだけでなく、さらなる損傷を引き起こすリスクがあります。

人にもよりますが、初心者に推奨される筋トレの頻度は週2~3回です。筋トレの頻度が適切であれば、筋肉が十分に回復する時間があり、効果的なトレーニングができます。

2-2. 正しいフォームで行う

正しいフォームで行うことで、関節や筋肉への負担を減らし、けがのリスクを下げられます。また、正しいフォームでないと、狙った筋肉に十分な運動負荷を与えられません。

どの筋肉が刺激されるのかを考えながら、正しいフォームを理解した上でトレーニングを実践してみてください。

2-3. 目的をはっきりさせる

意識性の原理とは、トレーニングを行う際に、ただ単に体を動かすだけでなく、意識的に取り組むことが、より効果的なトレーニングになるという考え方です。

「なぜこのトレーニングをしているのか」「どのような効果を得たいのか」といった目的意識を持つと、モチベーションを維持し、より集中して取り組めます。また、どの筋肉を使っているのか、どこに効いているのかを意識することで、正しいフォームを維持しやすくなります。

「筋肉」を意識しやすくする方法として、電気刺激機器を併用する方法もあります。鍛えたい目的の筋肉に導子を貼付し、電気の刺激を感じながらトレーニングをしてみましょう。

2-4. 食事に気をつける

エネルギー不足になると、体は筋肉を分解してエネルギー源として利用しようとします。せっかくトレーニングでつけた筋肉が減ってしまう恐れがあるので注意が必要です。

また、エネルギー不足は、筋力低下、持久力低下、集中力低下を引き起こし、トレーニングのパフォーマンスが低下します。

タンパク質、炭水化物、脂質、ビタミン・ミネラルなど、これらの栄養素をバランス良く摂取することで、筋肉の合成を促進し、筋肉の回復を早められます。

まとめ

自宅で手軽にできる筋トレの例として、プッシュアップやプランク、スクワットなどが挙げられます。特にプッシュアップは、胸や腕の筋肉を鍛える定番の運動です。

プランクは、体幹を鍛えるのに最適な運動で、腹筋だけでなく、背中や肩の筋肉も同時に鍛えられるのがメリットです。スクワットは、下半身全体を鍛える代表的な運動で、お尻や太ももを鍛えられます。

それぞれ異なる筋肉群を鍛えられ、トレーニングを組み合わせることで全身運動にもなるので、ぜひ自宅での筋トレに取り入れてみてください。

監修者プロフィール

福井 直樹 先生

理学療法士
学校法人響和会 和歌山リハビリテーション専門職大学 教員
(一社)日本物理療法学会 理事
(一社)日本理学療法学会連合日本物理療法研究会 評議員

関連商品