透明感のある肌とは?くすみ肌の原因やスキンケアの方法を解説

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透明感のある肌とは、肌が明るく輝いていて、内側から光を放っているような印象の肌のことです。年齢にかかわらず、健康的で若々しく、生き生きとした印象を与えます。

一方で、血行が悪くなると、肌に酸素や栄養が十分に行き渡らず、くすみが生じやすくなります。透明感のある肌を目指すには、日々のスキンケアだけでなく、健康的な習慣を心がけることが大切です。

この記事では、くすみ肌の原因や、透明感のある肌を手に入れるためのスキンケア方法について解説します。

1. 透明感のある肌にはどのような特徴がある?

透明感のある肌の特徴や考え方は、人によってさまざまです。一般的には、以下のような特徴があります。

くすみがない

肌が明るく、濁りがない状態です。シミやそばかす、赤みなどの色ムラが少ないのが特徴です。

うるおいがある

肌に十分な水分が行き渡っており、ふっくらと弾力があります。乾燥による小じわやカサつきが見られない状態です。

キメが細かい

肌の表面がなめらかで、きめが整っています。毛穴が目立ちにくく、なめらかな触り心地です。

血色がよく、明るい

肌が健康的なピンク色で、生き生きとした印象を与える状態です。

ハリがある

肌に弾力があり、ふっくらとした状態です。たるみやほうれい線が目立ちにくく、若々しい印象を与えます。

「肌透明感の要因追求のための多次元可視化」という論文では、肌の透明感において、単一の定型的なパターンがあるわけではなく、複数のパターンがあると論じています。

(出典:J-STAGE「肌透明感の要因追求のための多次元可視化」)

2. くすみ肌になる原因とは

くすみ肌とは、肌本来の明るさや透明感が失われ、顔色がやや暗く見える状態のことです。健康的で生き生きとした印象の肌とは反対に、疲れていたり、老けて見えたりする原因になります。

くすみ肌はさまざまな理由で発生しますが、主な理由としては以下が挙げられます。

2-1. メラニン色素

メラニン色素とは、肌や髪、瞳の色を作り出す色素のことです。紫外線から肌を守るために、メラノサイトと呼ばれる細胞で作られます。

紫外線を浴びると、肌はメラニンを生成し、シミやそばかすの原因となるだけでなく、肌全体の色を暗くします。これが、いわゆる「日焼け」です。また、ニキビや傷跡など、肌に炎症が起こると、メラノサイトが刺激され、メラニンが過剰に生成される場合があります。

他にも、肌の生まれ変わりであるターンオーバーが乱れると、古い角質が蓄積し、メラニン色素が肌の表面に滞留しやすくなります。

2-2. ターンオーバーの乱れ

ターンオーバーとは、人の肌が生まれ変わる周期のことです。古い角質が剥がれ落ち、新しい細胞が作られる繰り返しにより、肌は常に生まれ変わっています。

ターンオーバーが乱れると、古い角質が肌の表面に蓄積し、新しい細胞が生まれ変わるスピードが遅くなります。その結果、肌がゴワゴワしたり、くすんだり、肌色がくすんで見えたりするなどの肌トラブルが起こりやすくなります。

不規則な生活、睡眠不足、喫煙、飲酒などは、肌の代謝を低下させ、ターンオーバーを乱す原因となります。また、肌が乾燥すると、古い角質が剥がれ落ちにくくなり、これもターンオーバーの乱れに影響します。

2-3. 血行不良

血行不良とは、血液がスムーズに体中を巡っていない状態のことです。血行不良の状態が肌に起こると、肌が青白く見えたり、くすんで見えたりするといった症状が現れます。血行不良が原因で肌の透明感が失われる理由として、肌に必要な酸素や栄養が十分に行き渡らず、老廃物が溜まりやすくなり、その結果、肌がくすんで見えるようになります。

また、血行が悪いと、肌の再生能力が低下するためターンオーバーが乱れやすくなる点にも注意してください。

2-4. 糖化・カルボニル化

糖化とは、体内に取り込まれた糖が、タンパク質と結びついて変性し、黄褐色の物質(AGEs:終末糖化産物)を作り出す現象です。AGEsが肌に蓄積すると、肌が黄ばみ、くすみ、ハリや弾力が失われる原因となります。甘いお菓子、白米、パンなどの糖質を過剰に摂取すると、糖化が促進されるので注意が必要です。

カルボニル化は、糖化と似た現象で、体内の脂質が酸化し、タンパク質と結びつくことで起こります。糖化よりもさらに強力な変性を起こし、肌の老化を加速させます。揚げ物や加工食品に含まれる酸化しやすい油は、カルボニル化を促進するので、摂取しすぎには気を付けてください。

3. 透明感のある肌のためのスキンケア方法

透明感のある肌を手に入れるためには、丁寧なスキンケアが大切です。以下では、クレンジング・洗顔から乳液・クリームまでの基本的なスキンケア手順を解説します。

①クレンジング・洗顔

  • メイク落としと洗顔料を使い分けて、肌に負担をかけずにメイクや皮脂汚れを落とす
  • 熱湯は肌を乾燥させ、冷水は毛穴を引き締めてしまうため、ぬるま湯で顔を洗う
  • ゴシゴシこすらず、指の腹で優しく洗顔する

②化粧水

  • 洗顔で失われた水分を補うため、化粧水で肌を整える
  • コットンに化粧水をたっぷり含ませ、肌に優しくなじませる
  • セラミドやヒアルロン酸など、保湿成分が配合された化粧水も選択肢となる

③美容液

  • シミ、シワ、乾燥など、自分の肌悩みに合った美容液を選ぶ
  • パール粒大を目安に顔全体に伸ばし、なじませる

④乳液・クリーム

  • 肌の潤いを長時間キープしやすくなるよう、乳液やクリームで油分を補って、水分が蒸発するのを防ぐ
  • 乾燥肌、脂性肌など、自分の肌のタイプに合った乳液やクリームを選ぶ

肌質によっては、あまりに多くの化粧品を使うと肌に負担がかかる恐れがあります。その場合は、本当に必要なアイテムを選び、極力シンプルなケアをするようにしてください。スキンケアの効果を実感するためには、毎日コツコツと続けることが大切です。

4. 透明感のある肌につながる生活習慣

透明感のある美しい肌を手に入れるためにも、ぜひ以下の生活習慣を意識してみてください。

栄養バランスのとれた食事を摂る

透明感のある肌を手に入れるためには、栄養バランスの取れた食事を心がけることが大切です。さまざまな食品をバランスよく摂り、肌に良い栄養素をたっぷり与えてください。

その中でも、抗酸化ビタミンとして知られるビタミンA、ビタミンC、ビタミンEなどは積極的に摂取したいビタミンです。抗酸化ビタミンとは、体内で発生する活性酸素の働きを抑え、細胞の酸化を防ぐ働きを持つビタミンのことを指します。活性酸素は、体内に取り込まれた酸素の一部が、エネルギーを作り出す過程で生じる有害な物質です。過剰な活性酸素は細胞を傷つけ、老化やがん、免疫機能低下の原因になると考えられています。

(出典:e-ヘルスネット(厚生労働省)「抗酸化ビタミン」)

しっかりと睡眠時間を確保する

睡眠中に人の体は、1日の疲れを癒し、ダメージを受けた細胞を修復しています。

睡眠中に分泌される成長ホルモンは、肌の再生を促し、コラーゲンの生成を助けます。コラーゲンは、肌にハリや弾力を与える上で重要な成分です。

紫外線対策を行う

紫外線は、肌のメラニン生成を促し、肌の弾力やハリを保つコラーゲンを破壊するため、シミやそばかすの原因となります。

日焼け止めは、説明書にある使用量を守り、ムラなくしっかり塗ることが大切です。SPF・PAについては、必ずしも毎回大きな数値(例:SPF50+、PA++++)を選ぶ必要はなく、「いつ・何をするか」の観点で日焼け止めを選ぶことが大切です。

(出典:環境省「紫外線 環境保健マニュアル 2020」)

まとめ

肌がくすんでしまうと、肌の透明感が失われ、疲れた印象を与えてしまいます。くすみ肌の原因としては、角質の蓄積、乾燥、紫外線ダメージ、血行不良、生活習慣の乱れなど、さまざまな理由が挙げられます。

また、糖化・カルボニル化が進むと、コラーゲンやエラスチンの機能が低下し、肌の弾力が失われる恐れがあるので注意してください。

特に、睡眠不足やストレス、偏った食事などは肌に悪影響を与えます。透明感のある肌を目指すためにも、規則正しい生活を心がけましょう。

監修者プロフィール

福井 直樹 先生

理学療法士
学校法人響和会 和歌山リハビリテーション専門職大学 教員
(一社)日本物理療法学会 理事
(一社)日本理学療法学会連合日本物理療法研究会 評議員

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